外壁塗装剥がれの原因と対策、放置は危険!

外壁塗装の剥がれは、住宅の美観を損ねるだけでなく、建物自体の耐久性にも大きな影響を与える問題です。このような状態を放置することは、さらなる損害を招くことに繋がります。では、外壁塗装が剥がれる原因には何があるのでしょうか?

また、一度剥がれが発生した場合、どのような対策を講じるべきなのでしょうか?この記事では、外壁塗装が剥がれる主な原因と、それを防ぐための対策、さらには剥がれを放置することの危険性について詳しく解説していきます。建物を守り、美しい外観を長く保つために、外壁塗装の剥がれには早期に対応することが重要です。

外壁塗装の問題を正しく理解し、適切な対策を講じることで、建物の価値を守り、快適な住環境を維持することができます。

外壁塗装剥がれの主な原因

外壁塗装の剥がれは、見た目の問題だけではなく、建物の耐久性にも関わる重要な問題です。主な原因を説明します。

<施工不良>

外壁塗装の剥がれの主な原因の一つに、施工不良が挙げられます。施工不良には、いくつかの典型的なパターンがあり、これらを理解し、避けることが建物を長持ちさせる鍵となります。以下では、施工不良における主要な問題点について詳しく解説していきます。

適切でない下地処理

外壁塗装の基盤となる下地処理の重要性は非常に高いです。下地が不均一であったり、汚れや油分が残っていたりすると、塗料の密着性が低下し、結果として塗装が剥がれる原因となります。適切な下地処理には、外壁の汚れや古い塗膜をしっかりと除去し、表面を平滑にする作業が含まれます。この工程を怠ると、どんなに質の良い塗料を使用しても、期待する耐久性は得られません。

洗浄後の乾燥不足

下地処理の過程で行われる洗浄作業後、十分な乾燥時間を確保することが必須です。乾燥不足は、塗料と下地の間に水分が残り、塗料の密着を妨げる原因となります。特に湿度が高い日や、雨天後すぐの作業では、乾燥に十分な時間をかける必要があります。乾燥時間を短縮しようとすることは、長期的に見て塗装の品質を低下させる行為です。

下地に合った下塗り材が使われていない

外壁の材質には様々な種類があり、それぞれに最適な下塗り材が存在します。例えば、モルタル壁には透湿性を持った下塗り材が、サイディング壁には接着力を高める下塗り材が適しています。下地に合った下塗り材を使用しないことは、塗料の密着不良や剥がれの直接的な原因となり得ます。適切な下塗り材の選定は、塗装の持続性を大きく左右します。

下塗り材が適切な量、方法で塗られていない

下塗り材の塗布量が不足している場合や、不均一に塗られている場合、上塗り塗料の密着性が損なわれます。また、塗布方法にも技術が求められ、ブラシ、ローラー、スプレー各々に適した方法で均一に塗布する必要があります。適切な量で均一に塗布されていないと、塗膜が薄くなり耐久性が低下したり、塗膜間に空気が閉じ込められて剥がれやすくなったりします。

施工不良による外壁塗装の剥がれは、後からの修正が困難であり、コストも時間も多く要します。したがって、最初から正しい方法で施工を行うことが、建物を長期にわたって守るためには不可欠です。適切な下地処理、洗浄後の十分な乾燥、下地に合った下塗り材の選定と適切な塗布は、外壁塗装の成功において最も重要な要素です。これらのステップを丁寧に行うことで、美しく耐久性のある外壁を実現することができます。

<経年劣化>

外壁塗装の剥がれは様々な原因によって引き起こされますが、その中でも特に避けることができないのが経年劣化です。

塗料の耐用年数

塗料の耐用年数は、その塗料が外壁を保護できる期間を指し、これは塗料の種類、品質、施工環境、気候条件などによって大きく異なります。一般的に、外壁用の塗料であれば約5年から10年が耐用年数とされていますが、これはあくまで目安であり、使用される塗料の種類によってはもっと長持ちするものもあります。

塗料の耐用年数を超えると、塗膜は徐々に劣化し始めます。紫外線や雨水、温度変化などの外部環境に晒され続けることで、塗料は次第に色あせたり、ひび割れたりし、最終的には剥がれ落ちてしまうことがあります。このような劣化は自然な過程であり、適切な時期にメンテナンスを行うことで建物を長持ちさせることができます。

したがって、外壁塗装を長持ちさせるためには、塗料の選定時に耐用年数を考慮するとともに、定期的な点検やメンテナンスを行い、必要に応じて塗り替えを行うことが重要です。これにより、外壁塗装の剥がれを防ぎ、建物を美しく、健康な状態で保つことができます。

外壁塗装の剥がれを放置することのリスク

外壁塗装の剥がれは、見た目の問題にとどまらず、放置することで建物自体に多大な影響を及ぼす可能性があります。ここでは、外壁塗装の剥がれを放置することのリスクについて、構造への影響、修復費用の増加、美観の損なわれ、建物の資産価値の低下という四つの観点から説明します。

構造への影響

外壁塗装の主な役割の一つは、建物を雨水や紫外線などの外部環境から守ることです。塗装が剥がれることでこの保護機能が低下し、雨水が壁内部に侵入することがあります。これにより、建物の骨組みである木材が腐食しやすくなったり、鉄骨が錆びやすくなったりすることで、最終的には建物の構造自体の耐久性が低下します。

修復費用の増加

剥がれが進行し、外壁の損傷が深刻になると、単に塗り直すだけでは済まなくなります。下地の修復や部分的な交換が必要になることもあり、修復にかかる費用は大幅に増加します。早期に対処すれば比較的低コストで済んだはずの作業が、放置することで高額な修復費用を要することになりかねません。

美観が悪くなる

外壁の剥がれは、建物の外観を著しく損ないます。家や建物は所有者の顔であり、美観が悪くなることは、所有者の印象にも悪影響を与えます。特に、住宅や店舗などでは、外観は来客や顧客に与える第一印象に直結するため、外壁の剥がれは見過ごせない問題です。

建物の資産価値が低くなる

外壁の状態は、建物の資産価値にも大きく影響します。剥がれや損傷が顕著な建物は、見た目の悪さだけでなく、構造的な問題を抱えている可能性があると見なされがちです。これは、将来的に建物を売却または賃貸する際に、不利な条件を強いられることにつながります。逆に、外壁がきれいに保たれている建物は、資産価値を高め、より良い条件での取引が期待できます。

外壁塗装の剥がれが発生した場合の対処法

外壁塗装の剥がれは、見た目の問題だけでなく、建物自体の損傷につながる可能性があります。剥がれが発生した場合、適切な対処方法を知っておくことが重要です。以下に、剥がれが見つかった際の対処法について説明します。

初期対応の重要性

外壁塗装の剥がれを発見したら、迅速な対応が必要です。剥がれは時間とともに広がり、深刻な損傷を引き起こすことがあります。初期の段階で対処することで、より大きな損傷や高額な修復費用を避けることが可能になります。

まずは業者に診断してもらう

剥がれの原因や損傷の程度を正確に把握するためには、専門の業者に診断を依頼することが最適です。業者は剥がれの原因を特定し、最も効果的な修復方法を提案してくれます。また、将来的に同様の問題を防ぐためのアドバイスも受けられます。

塗り替え

剥がれが局所的であれば、塗り替えによる修復が可能です。塗り替えは、剥がれた部分の下地処理を行い、新たに塗料を塗布することで外壁の保護層を回復させます。この方法は、比較的簡単かつ経済的な修復方法と言えます。

カバー工法

カバー工法は、既存の外壁の上に新しい材料を被せる方法です。重大な損傷がある場合や、外壁の性能を向上させたい場合に適しています。この方法は、外壁の見た目を大きく変えることができ、断熱性や耐震性を高める効果も期待できます。

張り替え

張り替えは、外壁の材料自体を全て新しくする方法です。構造的な損傷がある場合や、外壁の全面的なリニューアルを望む場合に適しています。最も根本的な修復方法であり、長期的な耐久性を確保することができますが、コストと時間がかかる点を考慮する必要があります。

自分でできる応急処置

剥がれが小規模であれば、自分で応急処置を行うことも一つの選択肢です。剥がれた部分の清掃後、適切な下地処理を施し、専用の塗料で塗り直すことができます。ただし、これは一時的な対処であり、長期的な解決には専門業者による修復が必要です。

外壁塗装の剥がれ補修にかかる費用相場

外壁塗装の剥がれは、美観の損失だけでなく、建物自体の保護機能の低下を意味します。この問題を解決するための補修作業には、様々な費用が関わってきます。

補修費用の相場は、剥がれの範囲、塗装の種類、建物の高さやアクセスの難易度など、多くの要因によって左右されます。しかし、剥がれが小さい範囲であれば、数万円から対応可能な場合もありますが、全面的な塗り替えが必要になると、数十万円から数百万円の費用がかかることも珍しくありません。

保証で直せる場合も

外壁塗装工事にはしばしば保証が付いています。施工から一定期間内に剥がれや劣化が発生した場合、保証条件によっては無償または低費用で補修が可能になることもあります。そのため、剥がれを発見した際には、まず施工業者に連絡し、保証の適用範囲を確認することが大切です。

保証の有無に関わらず、早期に専門家による診断を受けることで、適切な対応策を講じることができます。補修が保証の範囲内であれば、費用を抑えつつ、建物を適切に保護することが可能となります。保証で直せない場合でも、専門家による適切な処置を行うことで、さらなる損傷を防ぎ、長期的なコストを抑えることができます。

まとめ

外壁塗装の剥がれは、見た目の問題だけでなく、建物の構造を蝕んでいく深刻な問題です。本記事を通じて、外壁塗装剥がれの原因とその対策、そして放置することの危険性についてお伝えしました。

剥がれを見つけたら、それが小さなものであっても、早急に専門家に相談し、適切な修復作業を行うことが大切です。

定期的なメンテナンスと早期の対応が、建物を長期間守る鍵となります。外壁塗装は建物を保護する重要なバリアです。そのため、剥がれや損傷を放置せず、適切な時期に塗り替えや修復を行うことで、建物の耐久性を高め、美しい外観を維持しましょう。

この記事が、皆さまの建物管理にお役立ていただければ幸いです。外壁塗装の剥がれを適切に管理し、安全で快適な住環境を守り続けてください。

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